株式会社ササキ
Sasaki Corporation
- 設立
- 平成7年(1995年)
- 本社所在地
- 山梨県韮崎市
- 拠点
- 山梨本部、宮城本部、仙台LOGI
- 事業内容
- ワイヤーハーネスの加工・製造
- 会社URL
- https://sasaki-inc.co.jp/company/
― まず、御社の事業内容を教えてください
佐々木社長
株式会社ササキは、ワイヤーハーネスの加工・製造を行っている企業です。主な対象領域としては、半導体製造装置や精密機器といった産業機器分野、自動車の研究開発(R&D)分野、そして航空・宇宙・防衛分野といった、高い品質要求が求められる領域に対応しています。当社の特徴は多品種小ロットである点であり、製品一点ごとに細かな対応が求められます。
― これまでの課題について教えてください
佐々木社長
当社の製造工程では、検査だけでなく、出荷やキッティングなど、あらゆる場面で目視確認が入っています。対象も色・傷・凹みなど多岐にわたり、その数は非常に多い。構造的に人の目に頼らざるを得ない工程が多いのが現実です。
志村様
多品種小ロットという特性上、工程は連続的なラインではなく、製造・搬送・検査すべてに人手が介在する構造になっています。そのため、自動化が非常に難しい環境でした。検査工程については以前からカメラの導入を検討してきましたが、既存の画像処理では技術的に対応が難しく、現実的な解決には至りませんでした。一部の製品については、製造ライン外で大手FAメーカーのデジタルマイクロスコープを導入し、拡大画像での検査を行っています。ただし、その画像をもとに最終的な判断をするのは人間であり、結局は目視検査に依存している状態が続いていました。
小林様
多様な製品を見続ける必要があるため、検査員の集中力の維持が難しく、体力的な負担も大きいです。その結果として、見逃しのリスクもどうしても残ってしまいます。
― SonicAIのデモを初めて見たときの印象はいかがでしたか?
佐々木社長
これまでの検査システムでは対応が難しかった湾曲部分のような高難易度の外観検査を、SonicAIは圧倒的な処理速度で実現しており、初めてデモを拝見した際は大きな衝撃を受けました。多品種小ロットが主流である日本の製造現場において、この技術はこれまでの前提を覆す、まさに革命的な製品だと確信しました。
志村様
まず感じたのは、処理スピードの速さです。これまで見てきた画像処理とは明らかにレベルが異なりました。加えて大きかったのは、「設備として成立する」という点です。従来の画像処理では、例えば湾曲した製品を検査する場合、複数のカメラを組み合わせた大掛かりな設備が前提となり、コスト面でも運用面でも現実的ではありませんでした。その点、SonicAIは1台のカメラで対応でき、設備として過度に複雑化しない。結果として価格も現実的であり、かつ多品種の現場において人の作業と組み合わせて運用できる。この“人と協働できる設計”が、導入の決め手として非常に重要でした。/p>
小林様
当社でもDXは進めてきましたが、検査工程だけは長年変わっていませんでした。SonicAIを見たときに、この領域に初めて現実的な変革が入ると感じました。単に技術が優れているというだけでなく、「現場で本当に使える形になっている」という点が決定的でした。
― 人の目視検査に依存していることによる課題はどのような点ですか?
佐々木社長
最も大きいのは品質リスクです。例えばラベルの取り違えといったミスは、検査工程に起因して発生しやすいものです。また、人の疲労による影響も無視できません。多品種小ロットで全数を目視検査する以上、どうしても集中力の限界があります。
志村様
当社の製品は半導体製造装置などに使用されるため、不具合が発生した場合、設備全体に影響を及ぼす可能性があります。最悪の場合、発熱や火災といった重大な事故につながるリスクも否定できません。品質の担保は極めて重要なテーマです。さらに人件費の増加や、熟練者への依存といった属人化も課題です。加えて、生産量が増加していく中で、このままの体制では人材確保が追いつかなくなるという懸念もありました。
小林様
ラベルの違いなど一見小さなミスでも、お客様の現場では大きな手戻りにつながります。現場全体の効率に影響を与えるため、見逃しのリスクは極力排除する必要があります。
― SonicAI導入後、現場にはどのようなメリットがありましたか?
志村様
検査工数の削減ですね。現在、半導体市場の拡大に伴って増産を進めていますが、このままでは将来的に人手不足が確実に発生する状況でした。その課題に対して、具体的な解決策が見えたことは大きな前進でした。また、検査工程に限らず、目視検査が関与している工程はまだ多くあります。SonicAIの技術でそれらをどこまで置き換えられるか、非常に大きな可能性を感じています。
小林様
今回対象にしている検査工程では、オペレーションも含めて、今後SonicAI社とのさらなるアップデートで作業時間を半分以下にできる見込みです。それだけでも現場へのインパクトは大きいです。SonicAIは開発やアップデートのスピードが非常に速く、現場の要望にすぐ対応していただける。この点も今後の展開に対する期待につながっています。
― 3月に山梨本社工場、続いて4月に宮城工場向けにもご導入いただきました。SonicAI oneは一台当たり数百万円と決して小さくない投資である中、短期間で複数拠点への展開を決断された背景についてお聞かせください。
佐々木社長
仙台工場に関しては、もともとAI活用についてはプロジェクトとして進めており、社内にもノウハウや推進人材が蓄積されていました。その中で、半導体需要の拡大に伴い、新工場の立ち上げと新ライン構築を同時に進めるタイミングが重なりました。SonicAIはその流れの中で非常に適合性が高く、導入を決定しました。現在は一部ラインへの導入ですが、他ラインや他工程への展開も視野に入れており、仙台工場だけでも数十台規模の大きな展開余地があると考えています。
― 最後に今後のSonicAIとの取り組みに対する期待についてお聞かせください
佐々木社長
SonicAIは、現場理解の深さと開発スピードの両面で、これまでのソリューションとは一線を画していると感じています。ワイヤーハーネス業界は全国に多くの工場(約1,000拠点)があり、基本的には同じような検査工程を抱えています。そして、その多くが未だに人の目に依存しているというのが現実です。その中で、これまで実現できなかったことがSonicAIによって実現できる。このインパクトは非常に大きく、業界全体に対してすぐにでも広がり得る技術だと考えています。さらに言えば、多品種小ロットという製造形態は、日本の製造業の大部分を占めています。その領域に適用できるということは、対象となる市場の広さは計り知れません。そういった意味でも、非常に大きな可能性を感じていますし、正直ワクワクしています。まずは5月末にパシフィコ横浜で開催される「人とくるまのテクノロジー展」で、SonicAIと共同で当社ブースにて出展を予定しています。実際の現場での取り組みを具体的に発信できる機会になるので、非常に楽しみにしています。